CHAPTER02

「キャラクターを
ドンッ」ではなく、
“日常使いできる”
グッズへ

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長嶋

早い段階でいただいた企画書を見た時、僕らの印象はかなり新鮮でした。
ゲームのグッズというと、どうしてもキャラクターを前面に出したものが多い印象がありますが、今回はそうではなかった。

平木

そうなんです。
最初に見た時から、「キャラクターが大きく前に出るもの」ではなく、もっと手に取りやすくて、生活の中に自然に入っていくような提案だと感じました。
すごくおしゃれでしたね。

長嶋

こちらとしても、もともとそういう方向性を考えていたんです。
いわゆる“キャラクタードン”よりも、その世界に普通に存在していそうなもの、日常の中で自然に使えるもののほうが、『カルドセプト ビギンズ』らしいんじゃないかと。
その感覚が、鈴木さんの提案とすごくシンクロしていました。

春木場

提案を最初に見た時は、驚き半分、うれしさ半分でした。
「こんなに幅広く、しかも普段使いできる形で出せるんだ」と。
これまでカルドセプトにグッズがあまりなかったからこそ、新鮮でしたね。

内容画像
長嶋

今回、『ビギンズ』ではアートスタイルを大きく刷新しています。
古くからのファンであり、なおかつグッズを作る立場として、その変化を最初はどう受け止めていましたか。

鈴木

率直に言えば、最初は大きなチャレンジだと思っていました。
昔のカードアートは、やはり古参セプターにとって強い記憶の中にありますから。
寺田克也さんや加藤直之さんといった、まさに“美術品”のようなアートワークを活かす道も頭にはありました。
ただ、結果的には松浦先生の絵に世界観が統一されたことで、グッズとしてはむしろ非常にやりやすくなりました。
バブラシュカ文字の設定も早い段階で定まりましたし、スペルカードの方向性も比較的早く共有していただけた。
そのおかげで、作品全体の空気感を揃えたまま、グッズとして展開しやすかったんです。

春木場

確かに、グッズにしやすそうなデザインですよね。
実際にプレイしてみた印象はどうでしたか?

長嶋

うん、そこ大事。

鈴木

かなり変わりました。

最初は少しとまどいましたが、オープニングからゲームが始まって最初の対戦まで進めると、「この絵柄であること」がすごく自然に感じられたんです。
UIも含めて世界観全体の統制がきちんと取れていて、プレイすればするほど腑に落ちる。
最終的にはもう、「今回のビギンズという作品にはこの絵が一番しっくりくる」と感じるようになっていました。

平木

とても苦労したところなので、うれしいですね。

鈴木

ストーリーもカルドセプトらしく、わかりやすさとキャラクターの個性が両立していましたし、メインストーリーを進めると解放されるサイドストーリーも本当にいい仕掛けでした。
キャラクターが掘り下げられてもっと見たいと思いましたね。

長嶋

最初の頃には、「これから世に出る『ビギンズ』ではなく、過去シリーズのグッズの方がファンアイテムとしてわかりやすいのでは」という話もありましたよね。

鈴木

ありました。
私自身、古参セプターとしては、過去シリーズのアートを使ったグッズにも当然強い関心があります。実際、その方向の企画も頭の中にはありました。
ただ、結果的には、まず『ビギンズ』に集中するべきだと判断しました。
理由は二つあります。ひとつは、シリーズ側のビジュアルを同時に出してしまうと、『ビギンズ』の新しい世界観を打ち消してしまう恐れがあったこと。
もうひとつは、30年積み重なったシリーズの歴史に向き合うなら、もっと時間をかけて丁寧に形にすべきだと思ったからです。
武重さんともお話ししながら、その価値の重さは強く感じました。
だからこそ、まずは『ビギンズ』をきちんと世に送り出し、その次にシリーズへつなげていく。その順番を選びました。