CHAPTER01

三者で探った
『カルドセプト
ビギンズ』
のゲームデザイン

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長嶋

おそらくこの記事をご覧になっている方々も、一番興味があるのはゲームデザインについてなんじゃないかと思いますので、早速本題に入っていきたいんですけれども。
まずですね、この『カルドセプト ビギンズ』を開発していく中で、ゲームデザインについては、どんな体制で進めていったのでしょうか。

春木場

全体の体制としては、まず、パブリッシャーのネオス、開発会社のグランディングさん、そして少ししてからゲームデザイナーとして神宮さんにも入ってもらって、三者でいろいろ話しながら進めさせてもらいました。

長嶋

確かに最初はネオスとグランディングさんのみでした。
大宮ソフトさんやジャムズワークスさんとも打合せを重ねていて、『現場に神宮さんもいたほうがいいんじゃないか』という推薦があったんですよね。

春木場

そうですね。より詳細な話をするときに、コアな部分をずっと担ってこられた神宮さんがやはり一番知見があるというお話もあって。
こちらとしてもぜひ入ってもらいたい、ということでご相談したところ、快く受けていただけました。

長嶋

ちなみに、みなさんに伺いますが、本作のゲームデザイン開発体制では、どなたが主導権を握っていたんですか?
……『牛耳っていた』という言い方でもいいですが(笑)

神宮

責任を取る立場、ということではないんですけど、わりと好き放題言わせてもらった感覚はありますね。
最初、武重さんからは『神宮さんが言うと、みんなそれが正解だと思って選択肢が狭くなるから、あんまり言いすぎないでくださいね!』と、釘を刺されていたんですけど(笑)
やっぱり中に入ると、どうしても『こうしたい』『ああしたい』というのが出てきて、かなり踏み込んで話したと思います。

長嶋

なるほど。じゃあ質問を少し変えます。
ネオス、グランディング、それから神宮さん、という三者がいたと思うんですが、それぞれの役割はどんなふうに分かれていたんでしょうか。

春木場

全体方針のようなプロジェクトの軸となる部分はネオス側である程度進めさせてもらって、そのあとグランディングさんに落とし込んでもらっていました。

山田

そうですね。なので、こちらの役回りとしては、根っこの方針を受けつつ、『今作ではこういったことができるんじゃないか』という提案をさせていただいていました。
神宮さんに参加いただいてからはゲームバランスやデザインのところは、基礎の部分をかなり定義してくださったので、それを軸にしながら、『今回はこうしたい』という部分の肉付けをこちらで提案していった、という進め方でしたね。
そういう意味では、根っこの部分や軸の部分を作っていただいたのは、やはり神宮さんだったと思います。

神宮

とはいえ、『牛耳っていた』といっても、何でもかんでも私の言う通りにしたい、ということではなくて(笑)。
今回すごく体制のバランスも良かったと感じていて、こちらが言ったことに対して、グランディングさん、特に山田さんが、納得できないことはちゃんと『それは違うんじゃないか』と言ってくれたんです。
やり取りしながら進めていって、それでも通したところもあれば、グランディングさん側の意見に寄せたところもあって、ちょうどいいバランスが取れていた気がします。

長嶋

なるほど。今のお話で業務分担はよく分かったんですが、実際の役割分担としてはどういう感じなんでしょう。

神宮さんは、『カルドセプト全体を見たときに、こうあるべきだ』というゲームデザイン面、しかも十年ぶりの新作としての視点を持っていて、一方で山田さんは、実装面も含めて、『いまのユーザーさんの手に届くものとして、こうあるべきだ』という見方をしていた。
…そんな感じですか?

山田

そうですね。
自分は、どちらかというとセプター経験が浅い側の人間ではあるんですけど、逆に言うと、そのコアな部分を失わせないまま、今まで届いていなかった現代のユーザーに届けようとしたら、こういった変化が必要なんじゃないか、という観点で進めていたかなと思います。

長嶋

神宮さんと山田さんで見方や狙い方が若干違う気もするんですが。

神宮

はい。似ているようで違う、という感じはあります。
やっぱり自分は、昔からのパターンをある程度残したい、という思いがあったので、あまり突出して新しすぎるアイデアは、少し抑え気味にしていく方向になったかな、という気はしますね。

長嶋

やはりカルドセプトの生みの親であり、ここまでシリーズを積み重ねてきた立場として、シリーズ全体に対する責任感のようなものがある、ということでしょうか。
『いまだったら、こうあるべきだ』というような。

神宮

そうですね。ゲームの中身に関しては、これまでの『うまくいったこと』『うまくいかなかったこと』の経験を踏まえて、どうしても『こういう方向のほうがいいんじゃないか』とか、『こっちはなくてもいいんじゃないか』とか、そういう言い方をすることが多かったように思います。

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長嶋

春木場さんの役割は?

春木場

柱になる部分は神宮さんに、それを受けての具体化や細かい実数値の調整はグランディングさんが積極的にやってくれていたので、僕はゲームの全体像を見た上で、検討していることがプロジェクトで目指している方向としてずれていないか、というところを見ていました。
今回は新しい人、カルドセプトに初めて触れる人にも楽しんでもらいたい、という思いが強くあったので、コアな話をする中でもそこが抜けないように、皆さんの合言葉みたいな形で意識を合わせてもらっていました。
そういう意味では、初心者目線担当になりますかね。

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