CHAPTER02
「いま届くカルドセプト」
を目指して
- 長嶋
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次は、具体的にはどうやって進めていったのか、という話なんですけど……。
『カルドセプト ビギンズ』開発の指針となるゲームデザインの構想や設計思想は、どのように決まっていきましたか。
- 春木場
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最初の頃は『こんな機能があったほうがいいんじゃないか』というところも含めて、全体に風呂敷を広げるような形で、どんどんアイデアを出していったんです。
それが全部出そろったところで、『今作で目指すカルドセプトはどういう方向に持っていくべきか』という方針と照らし合わせながら、機能を絞っていった、という流れでした。
- 山田
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自分は最初期のほうには参加していなかったので、当時どういうやり取りがあったかは、聞いている範囲になりますけど、とにかく今作で新たにやりたいことについて、かなり議論されていたという話でした。
たとえば『ショートモード』のような、本当に短いモードを別立てで入れる案があったり、セプター側にブックとは別で装備品のようなものを付けて、遊びをもっと拡張できないか、みたいな、かなり膨らませたアイデアまでいろいろあったと聞いています。
大きく分けると、前作までの課題だと思っているところの解消に向けた提案と、新作として打ち出すにあたって、まったく新しいものを入れる場合の提案、その二つがあったかなと思っています。
- 長嶋
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確かに、カードゲーム界隈ではどんなタイプのゲームがあって、どういう流行があるのか、みたいなレポートもしていただいていましたよね。
『いまはこうですよ』というところから提案いただいたのは、すごく覚えています。
- 春木場
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それと合わせる形で、うちのほうは最初から『カルドセプトのプレイフィールは変えたくない』という考えもありました。
とはいえ最近のゲームでは……という課題もあったので、たとえば『時短したい』という大きな課題に対して、どこをどうやって実現していくかと議論を重ねながら取り組んでいった、という形でした。
- 長嶋
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グランディングさんは当初から『刷新したい』という思いが強かったですよね。
- 山田
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やっぱり、いろんなカードゲームやボードゲームを開発している、というのは大きいと思います。
ただ、最初に提案していたのは、なるべく根っこの部分から問題を解決するには、このくらい手を入れる必要があります、という方向のものが多かったんですよね。
その後、いろいろ話していく中で、神宮さんが入ったあとだったと思うんですけど、『今後の流れを整理しましょう』という話になってきたときに、あらためて『結局、これで何を作りたいんでしょうか』というところに立ち返ったんです。
その結果、最終的には、原点にあるものを維持しつつ、最低限どこを変えないと新しいユーザーに届かないか、という視点に絞られていって、議論がどんどん深まっていったかなと思います。
- 春木場
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新しいカルドセプトを作るにあたって、これまで遊んでくれているセプターさんにはもちろん、新しい人にも楽しんで欲しい。
そういった欲張りな仕様を詰めていくうちに、今の形に近づいていった、という感じでしたね。
- 長嶋
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そんなふうに全体の流れをご覧になっていた神宮さんは、今回どう決めていこうと思われましたか。
- 神宮
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私が参加した時点では、わりともう少し落ち着いた感じで、『セカンドベースの中で、どう今風にしていくか』という方向になっていた感触はありましたね。
ただ、私自身も『時短』に関しては気になっているところがあったので、そのあたりはやっぱりいろいろ手を入れたいな、と思っていました。
- 長嶋
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そうでしたね。
グランディングさんには『刷新』したいという思いがあって、ネオス側には『守りたい』ものがある。その一方で、みんなの共通課題として『時短』があった。
それが今作の核になっていった、ということでしょうか。
- 神宮
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結果として、『時短するためにいろいろ調整した』というところが、ゲームデザイン全体に大きく影響しているので、できあがったものの核になったのかなとは思っています。
- 春木場
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『1プレイにこれくらい時間がかかります』と話したときに時間が長いほど、プレイのハードルになってしまうと思うんです。
いろんなコンテンツがある中で、その中から選んでもらって遊んでもらうにはどうしたらいいか、というのは、みんなでかなり苦心していたところだったと思います。
- 長嶋
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なるほど。ちょっと整理しておくと、先ほど神宮さんがおっしゃっていた『セカンドベース』というのは、鈴木社長だったり、武重さんだったり、ネオスやグランディングも入った上で、今回のゲームデザインチームが本格的に組成される前から、既定路線としてある程度決まっていた、という理解でいいですか。
- 春木場
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そうですね。
少し説明するとカルドセプトシリーズもいくつかの系統に分かれていて、その1つが神宮さんが言っていたセカンドになります。
最新のもので言うと『カルドセプト3DS』がその系譜にあたるタイトルです。
シリーズの中で、新しく始めてもらうならどれがいいか、と考えたときに、『リボルト』は少しコア寄りというか、進化したカルドセプトという感じがあったので、『これから始めてもらう人が一番入りやすいのはどこか』というところを話し合って、セカンドベースになりました。
おおよそ方針は見えてましたけど、神宮さんに入ってもらったタイミングでもこの点は改めてご意見もらいました。
- 長嶋
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もう何度もインタビューなどで答えていただいている話かもしれませんが、神宮さん的には『セカンドかリボルトかの二択だった』ということでしょうか。
- 神宮
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結果としてセカンドベースを選んだわけですけど、やっぱりこれまでも話に出てきたように、『とっつきやすさ』とか、『初心者が入りやすいか』という観点で見ると、セカンドベースのほうが分かりやすい、というのはあると思うんですよね。
もう一つ、ゲーム内容の面でいうと、『リボルト』の場合は、わりと毎ターンやることがある形なんです。
毎ターン、何をしたいかを考えながら進めていくパターンになる。
でも、それは初心者からすると、『毎ターン一生懸命考えなきゃいけない』という負担にもなりやすいと思ったんです。
一方で『セカンド』のほうは、やることがないときは、本当に『次にパスするしかない』みたいな状態もある。
でもそれはそれで、一つのテンポとして次に渡せるし、全体としてゲーム時間を短くする方向にもつなげられるんじゃないかと思っていました。
その二つを比べたときに、やはり今回採ったセカンドベースのほうが、初心者にも向いているんじゃないかな、というのが自分の考えでした。
- 山田
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自分は前任者から引き継ぐ形でプロジェクトに参加したのですが、その段階では、その『正統派』のタイトルを現代に届けようという方針にすでににたどり着いていた、という感覚でしたね。