CHAPTER05

40枚編成が、
ブック構築の
ハードルを下げた

罫線
長嶋

今作のブック編成が40枚になったのも、やっぱり時短の一環でしょうか。

山田

実はこれ、前任者の悲願みたいなところもあったんです。
ほかの機能変更が通らなくても仕方ないけれど、カード枚数だけは何とかしたい、という思いがあって。

長嶋

その前任の方は、なぜそこまで強く思っていたんですか。

山田

その前任者は、3DS版をずっと遊んでいたファンでもあったんですけど、ユーザーとして見ても、今の感覚だと50枚というのは多い。
いきなり『これを編集してください』と言われて、目の前に50枚ある、というのはかなりハードルが高いんですよね。
それが、初心者というか、初めてこのゲームに触れる人にとって障害になってしまうんじゃないか、という声は、社内でもずっと上がっていました。
なので、どうにかそこを軽くできないか、という問題意識があって、その一端として『カード枚数を減らす』という提案をさせていただきました。

山田

あと、分かりやすいところでは、50枚って結構『一画面に入りきらない』くらいの情報量なんですよ。
40枚だと、ギリギリ一画面に収まるような構成にできるかな、と。

内容画像
長嶋

そのあたり、遊佐さんはどうでしたか。
ちょうどその枚数を決めていた時期に関わられていたんですよね。

遊佐

そうですね。50枚って、やっぱり単純に多いんです。
多少カードゲームをやってきた人でも『多いな』と思う数字だと思います。
一方で40枚というのは、ある程度カードゲームに触れてきた人からすると、『ああ、このくらいね』と受け止めやすい数字なんですよね。
そういう意味では、印象面というか、受け入れやすさの面でも良かったと思います。
『40枚以上ならいいよ』みたいな緩い構成にしようとした時期もあったんですけど、やっぱりそこは定数で決めよう、という話になっていきました。

神宮

私自身も、50枚はさすがに多いな、とは思っていました。
結局これって、枚数そのものが直接時短につながるというより、ゲーム内が時短されていくと、1回の対戦の中で引き切れるカード枚数自体も減ってくるんですよね。
そうなると、50枚入っていても実際には20枚くらいしか使わなかった、みたいなことも起きる。
それだと、ブックを組む負担をかけているわりに、あまり見返りがない。
だから、そこは合わせて調整することが大事だったんだろうな、と今では思っています。

長嶋

たとえるなら、『大谷の打順が早く回ってくる』みたいな話ですよね。
思った通りの展開に持っていきやすくなる。

春木場

はい。ブック枚数を少なくすればするほど、当然カードは引きやすくなるので。
ただ、少なすぎると展開が固定化されすぎてしまって面白くなくなる。
だから、『減らしすぎず、増やしすぎず、そのラインはどこか』というところは、かなり試してましたね。

神宮

結果的に、バランス面にもかなり寄与していたと思います。
たとえば、戦い方の一つに、リンカネーションなどを使って早めにリシャッフルさせて、カードの回転を良くする、という戦法があるんですけど、ラウンド数も短くなっている今のバランスで50枚だと、多分それも通用しにくくなっていたと思うんです。
過去にあった戦術がなくなるのは避けたい、というのもありましたし、結果としては最善だったんじゃないかなと思います。

長嶋

逆に今回、残した部分でいうと、『1種類のカードを4枚まで入れられる』というところは守ったんですね。

神宮

1種類を4枚投入できるというのは、過去作からの馴染みもあって、そこはキープしました。
本来ブック枚数を減らしたら、1種の投入枚数も減らした方が過去のバランスに近づくんですが、40枚くらいであればまだカードの引きやすさと、『4枚まで入れられる』という昔の感覚は共存できるんじゃないか、という考え方ですね。
もしかすると、一番いい塩梅になったのかもしれないです。

長嶋

実際、皆さん、今回のバランスや刷新された内容でかなり遊ばれていると思うんですけど、遊び方はどう変わりましたか。
……『遊び方』というより、『ブックの組み方』みたいな話でもいいですね。

春木場

40枚だと、だいたい1回の試合でブックを使い切るくらいの感覚で終わることも多いので、そういう意味では、同じカードを『何枚入れるか』の考え方も変わりました。
たとえば『1枚刺し』って言うんですけど、1枚だけ入れたカードが機能する可能性が高くなったので、『お守り的な1枚』を差し込む構築がやりやすくなりましたね。

長嶋

その『1枚刺し』って、初めて聞く方にも分かるように説明してもらえますか。

春木場

たとえば特定の状況に対する『対策カード』みたいなものって、4枚入れてしまうと持て余すことが多いんですよね。
『こういうシチュエーションが来たときに使いたい』とか『持ってるだけで相手が動きずらくなる』というようなカードなので。
その場合、1枚だけでもブックに入れておくと、ちょうどいいタイミングで引けたときに効果的に使える、というのはあるんです。
今回ブックが40枚になったことで、ドローカードに頼らなくても1枚あたりの引ける期待値が上がっています。

神宮

少ない枚数で入れておく意味が出てきた、ということです。
もちろん、絶対に引きたいカードなら4枚入れたほうが引きやすいんですけど、1枚でも引きやすくなったことで、ブック構築の幅は広がったと思います。

山田

1枚刺しって、簡単に言うと『これをされると嫌なんだけど、このブックとはあんまり噛み合ってないんだよな』というカードを、あまり枠を取りたくないから1枚だけ入れておく、みたいな使い方なんです。
『引けなかったら、それは仕方ない』くらいの感覚で入れるものですね。

春木場

そうですね。
40枚になったことでより厳選は必要だったり、序盤には引きたくないから1枚にしておくという考え方もあるので必ずしもではないですが、選択肢としてとりやすくなったかなと思います。

長嶋

1枚刺しがかなり意味を持つようになった、ということですね。
ほかには、どんな変化がありましたか。

山田

あと、最初の手札ですね。
これは過去作でもよくある状況だったと思うんですけど、クリーチャーが1枚も手札に来ない、みたいな事故は結構起きていたんです。
でも、それは40枚になったことで、比較的起こりにくくなったかなと思います。

長嶋

初手事故の確率が減ったわけですね。
ただ、それってブックの編成次第では、という話にもなりますよね。

山田

もちろん、厳密にはブックの組み方次第ではあります。
ただ、推奨バランスで組んでいった場合、たとえばクリーチャー寄りに極端に偏っていないなら、かなり感触は変わると思います。
最初のおすすめバランスとしては、ざっくり言うと、
クリーチャー20枚
アイテム10枚
スペル10枚
くらいで覚えていただくと分かりやすいかなと思います。

長嶋

それは神宮さん、昔からの比率でいうと変わっているんですか。

神宮

割合で言うと、だいたい比率は同じですね。
ただ、『20・10・10』ってすごく覚えやすいんですよ。
その意味でも、初心者には分かりやすい形になっていると思います。